山並みを臨む2階リビングの家

[ 2階建て] [ 約47坪 ] [ FPの家 ] [ UA値 0.34 (5地域 断熱等級6_G2 ) ] [ C値 0.1 ] [耐震等級3 ] [オリジナル全館空調 ]
[ 長期優良住宅 ] [ ZEH(太陽光8.66kW) ]
施主様との出会い
弊社の協力業者様がお施主様とお知り合いであり、新築に建て替える住宅会社の相談を受けたところ斉藤建築工業を紹介いただいたことがご縁でした。弊社にて初めてお会いした際にお施主様から建て替え理由をお聞きしたところ、「家が自沈して傾いている。その症状と雨漏りに悩まされている」というお話でした。そのお住まいは、築35年(総2階約40坪)ほどでありまだ比較的新しいのですが、新築完成から年々サッシやドアの開け閉めが難しくなり、2011年の震災を受けてより顕著になったそうです。
お住まいの家族構成は、お施主様ご夫婦、お子様3人、ご両親の7人家族です。
施主様からのご要望
【今の住まいより少し広いこと】
ご要望をお伺いしたところ、現在の住まいより少し広いこと以外に大きな希望はなく、「すべてお任せします」というありがたいお言葉をいただきました。そこで、ご家族皆様へのヒアリングと周辺環境を最大限活かすプランをご提案しました
【住まいづくりのご要望お子様】
・部屋数の不足
・集中のできる部屋がよい
【住まいづくりのご要望ご両親】
・2間続きの和室で就寝しているが個室でないためプライバシーが気になる。
・衣類収納スペースの不足。
ヒアリングから知る
・リビングダイニング(1階)面積不足のため全員が集うことがあまりない。そのためご家族全員での会話の機会が少ない。
・食事もそれぞれの時間で摂ることが多く、会することが少ない。
・周辺からの視線が気になることがあるため、リビングダイニングのカーテンの締め切りが多い。
・駐車スペースは、将来子供のマイカーを停める必要がある。
・バイクツーリングがご趣味であり、普段外の小屋にバイクを保管している。
・繁忙期は、仕事の帰りが遅い。加えて休日のツーリングを楽しめる機会が減る。
・キッチン(1階)とリビングダイニングが分けられている。そのため閉塞感を感じることがある。
・キッチンの部屋としての床面積が狭く、整理がしづらい。
・洗濯の室内干しスペースの不足。
・生活収納の不足
サイケンからご提案したプランニング
ヒアリングを介してそれぞれの生活スタイルを教えていただき、団らん、プライベート、趣味、家事など満たすべき事柄を把握することができました。併せて周辺環境の長所を取り入れ、注文住宅が可能にするプランニングをご提案させていただきました
【床面積】
1階:95.23㎡ (28.75坪) 居室5部屋、インナーガレージ、ランドリー室、トイレ、外物置
2階:61.34㎡(18.52坪)LDK、脱衣室、浴室、畳コーナー、パントリー、トイレ、バルコニー
【延べ床面積】
延床面積:156.57㎡(47.27坪)
【外観形状に至る背景】
先ず採光とプライバシー保護から南隣地境界までの距離は変わらず5mとしています。この間にはこれまで通り駐車スペースを配置。北側の道路斜線制限に対応して、北側に一部下屋を設けて対応しています(総2階では、斜線回避のため南に住宅を配置することになり、駐車スペースの確保または、建築面積の確保が難しい)。
加えて、2階の北側の一部をバルコニーとすることで、道路斜線制限を避けつつ山並みを眺められる「物見台」としました。
人工芝を敷き、中間領域として使える居心地の良いスペースとなっています。屋根形状は、太陽光の積載量をなるべく多くするため南側の屋根面積を広く取った切妻としました。南軒の出は1階910mm、2階750mm(ハキダシサッシ無しのため)としています。夏は室内への日を遮り、冬は室内に日を取り込んでくれる長さです。
また、屋根はガルバリウム鋼板縦葺き、外壁はメインにガルバリウム鋼板横貼り、アクセントの窯業系サイディングを採用しています(高耐久性によるローメンテナンスを重視)。
【2階LDK】
2階にLDKを置くことで、採光、景観、寛ぎ、団らん、室内プライバシー確保にアプローチすることが可能になるため採用させていただきました。広さは約20.5畳。冬季でも2階であれば多くの日射取得することができ、明るく温かい室内環境につながります。これによって、家族が自然とLDKに集まりたく相乗効果を狙っています。
【2階勾配天井】
約20.5畳のLDK部分は勾配天井とすることで空間に広がりが生まれ、より開放的になります。こだわったのは、勾配天井がスタートする高さ、そして勾配(角度)です。高い位置から勾配にした場合、外観は高くなり重く感じます。内観からは、勾配の存在感がぼやけてしまうだけでなく、天井を縁取るラインが薄れ、ただ高い天井に陥ってしまい違和感(ノイズ)となります。人目線高さで感じ取れる緩やかで伸びやかなライン、明るく開放的な空間量の両立が大切だと思います。
【3畳の畳コーナー】
LDKの隣に小上がりの畳コーナー(3畳)を設けました。この間に収納、仏間を介しているため、LDKからの視線をわざと入れない配慮をしています。家族との時間を直接過ごすだけではなく、少し間接的に空間で交わることに留め、何気なく2階で思い思いの時間を過ごせるコーナーです。こうすることで、家族との機会がなるべく増える工夫をしました。また、お客様が泊まるスペースとしても活用いただけると思います。
【パントリー兼奥様スペース】
食材やキッチン用品などが整理できるパントリーではありますが、奥様が籠って一人になれる空間としても利用できるようにカウンターとサッシを配置しました。加えてお子様が持ち帰るプリントを張り付けられる大きなマグネットボードを壁に作っています。このスペースでお茶や雑誌、プリントの確認をしたり、奥様の憩いのスペースとして配慮いたしました。
【バルコニー】
“ 外観に至る背景 ” でも触れていますが、2階北東角にLDKに隣接させてバルコニーを作りました。一般的にバルコニーは南に設けることが多いかもしれません。しかし、その用途の多くは、洗濯物を干すことが目的ではないかと考えます。この住宅ではランドリー室があるため使用用途が異なり、景観を楽しむ物見台・中間領域となります。北から見る山の色づきや外の空気に触れる春夏秋であれば寒くないため、気軽に出入りが出来ます。且つ夏は日陰により熱や紫外線による防水性能の劣化が軽減します。用途を絞ることで、北側バルコニーは意外にも居心地のよい場所に変わります。
【階段の配慮】
蹴上げを179.75mmとして上がりやすい階段としています。折り返し部分には1畳分の踊り場を設けて、安全対策と疲れにくい配慮を施しています。また、ストリップ階段を採用し、意匠性を高めました。踊場の上部には比較的大きなFIXサッシを取付けています。光が1階まで広がることにより空間を演出します。意匠性との効果によって、自然と2階に上がりたくなる階段を作りました。
【1階の各居室・収納】
夫婦寝室、両親寝室、子供部屋は全て1階に配置しています。個室を1階にまとめることで2階を最大限に広く使用できるためです。そして、就寝時間などに家族の異常を早く察知でき、素早く対応できることも大きな長所です。また、各居室には、しっかりと衣類や物が入る収納を用意し、以前よりも収納力を高めています。子供部屋に至っては、造作机を作り集中できる環境を整えました。加えて、階段下、廊下にも収納を設け、せっかく新居に生活感が出ないように配慮しました。
【ランドリー室】
ランドリー室は、1階の南に3畳分を設けました。7人家族のため、洗濯物の量は多いとお聞きしています。洗濯物が多い場合、水蒸気が多く多量に出るため、なるべく早く乾かす必要があります。乾きやすい場所はやはり日が当たる南側です。冬季は南の住宅によって日が遮られてしまいますが、それ以外は日が入ることになります(窓は日射取得の型ガラスを採用)。併せて、オリジナル全館空調と排気口を設けました。これにより水蒸気が廊下に流出する心配が無く、安定した乾燥環境を作ります。洗濯機は浴室に隣接した脱衣室に設置しており、1階で干した衣類は、各自で個室に移すスタイルです。これであれば洗濯の昇降頻度も下がります。就寝時に干せばそのまま寝室へ入る形となります。
【インナーガレージ】
ご主人が大切にされているバイクを家の中でメンテナンスや眺めることができます。お仕事が忙しくツーリングに出かけられなくても、身近にバイクを感じる趣味のスペースです。
ご主人が帰宅して玄関ドアを開けるとインナーガレージに置かれているバイクが視界に入るように工夫しています。自宅に帰った気持ちのスイッチがONになる演出です。
また、お子様の自転車も入れることができるため、自転車ポートが必要なく、盗難対策としてもご安心いただけます。
【インナーガレージ前スペース】
バイクメンテナンスのスペース利用はもちろん、小型自動車であれば駐車することができます。お子様がマイカーを持つとき車の台数が増えるため、敷地の有効利用として工夫しました。
【リビングを通る浴室動線】
浴室への動線はLDKを必ず通る配置としています。つまり浴室も2階に配置しました。帰宅後1階に籠っても浴室を使用する際にLDKを通ることで家族と顔を合わせる機会を増やす意図があります。
【外物置】
住宅の一部に外からしかアクセスできない外物置を設けました。広さは1.5畳分ですが棚を設け収納力を高めました。強度が高い板を使用しており、タイヤも置くことが可能なため便利に使用いただけると考えます。
【空調の工夫】
C値0.1(0.3以下を基準)、UA値0.34 の高気密高断熱が可能にするオリジナル全館空調を採用していますが、居室面積を広く取る必要があるため、今回、空調循環させる吹抜けを設けていません。その代わりの工夫として、階段・玄関ホールの天井の一部を織り上げ、2階床よりも+350mm上げた天井になっています。この+350mmは、2階と空間が繋がる通気開口です。少しでも多く冷暖房空調の行き来を増やす工夫として採用しました。且つ階段周りは格子を設けて廊下への通気も配慮しています。そのため格子は意匠性がメインではなく実用性を考えた結果です。
【エアコンは2台だけ】
各個室にエアコンは付けていません。1階玄関ホールに18畳用ルームエアコン1台(冬季暖房用)。2階LDKに18畳用ルームエアコン1台(夏季冷房用)。計2台のみです。時期によって使い分けるため、基本は1台で47坪全体を冷暖房できます。各室分のエアコンが必要ないため、初期コスト・買い替えコストを抑えることにつながります。
以上になります。ご家族の幸せな生活と素晴らしい思い出を重ねられていくことを心より楽しみにしています。ありがとうございました。
施主様インタビュー
カメラマン:住み心地はいかがですか?
施主様:快適です!
カメラマン:お住まいになってどのくらい経つんですか?
施主様:2ヶ月くらいですね、5月初めくらいからです。

カメラマン:じゃあ、暑くなりだした頃も快適でしたね?あと気になるのは冬の快適さですね。
施主様:いや、冬より夏の方が心配だったんです。2階にリビングだから夏の日差しが心配で。冬は3月くらいに日中来て過ごしてみたんですけど、全然エアコンなしで過ごせるなと思いましたね。それもあって夏が心配だったんですよ。
カメラマン:外観のこだわりポイントを教えてもらっていいですか?
施主様:ガルバリウムですね!外壁を黒のガルバリウムにしましたね。少し今風にしたいと思って木目のサイディングをポイントに入れました。

カメラマン:外観のお気に入りのポイントもありますか?
施主様:ビルドインのガレージかなあ。中からもバイクが見られるし、作業もしやすいし、涼しいのもいいですね。
カメラマン:次に内観のこだわりポイントを教えてもらっていいですか?
施主様:テレビ周りの間接照明ですかね。あとエコカラットにしてもらいましたね。他はほとんど斉藤さんの設計図からほぼ変更なかったですね。最初は2階リビングっていうのは抵抗はありましたけど、よく考えた結果がこれだと思えたので。

カメラマン:次に内観のお気に入りポイントを教えてください。
施主様:2階リビングからの景色ですね。
カメラマン:なるほど!2階ならではの良さですよね!
施主様:子供が帰ってくるのも窓から見られますしね!覗けば下まで見えるので。帰ってきたから開けてあげようって。
カメラマン:階段のところも格子になっているのがいいですね。
施主様:空調を考えてのことなんでしょうね。でも顔が見えていいですね。
カメラマン:お金の計画から話を進めていったんですね?
施主様:そうですね、もう人生設計からしていただいた感じですね。だからこそ決めました。
カメラマン:他には何社くらい検討されたんですか?
施主様:もう斉藤さんだけです。1社ですね。話を聞きにいってから考える期間として1年かかったんです。その間に前の家が限界が来てしまって「最初お話聞いた時から1年経っちゃったんですけど」って再度伺ったら「あ〜!」と言ってすぐに対応してくださったので。

カメラマン:そうなんですね。人生設計から、その後の売り込みもなく、というところが良かったと。最後にサイケンさんを選んだ理由を教えて下さい。
施主様:そこにサイケンがあったからですね(笑)ご縁ってありますからね。紹介いただいたんですけど、家の仕様とかそういうことより先に、お金の返済のことから考えて設計してくれたので「ちゃんと寄り添って考えてくれてるな」って安心できたんです。最初に話を聞きに行った時に斉藤さんは、家の設計のことは話さなかったんです。とにかくどう返済をしていって、どのくらいの年月で返済していけるかからスタートでした。
カメラマン:分かりました。ありがとうございました。
